基礎知識

倉庫業は、単なる物品の保管だけでなく、検品や在庫管理、出荷準備など、多様なサービスを提供し企業の効率的な物流管理を支えています。

本記事では、物流の中で欠かせない重要な役割を担う倉庫業について紹介。基本的な役割から運送業との関係、そして3PLの活用方法まで、詳しく解説します。

倉庫業とは?

倉庫業とは、倉庫業法によって「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」と定義され、物品の安全な保管と管理が主な業務です。

預かった物品の品質を維持するために、温度管理や危険物の管理など、安全管理も行います。

単なる保管にとどまらず、検品や入庫、出荷準備など物流全体を支える業務を担い、企業の効率的な物流管理をサポート。現代では、ECサービスやグローバルビジネスの成長に伴い、倉庫業は商品の在庫管理や配送の柔軟性向上にも貢献し、企業の競争力を支える重要な役割を果たしています。

参照元:倉庫業法(https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000121)

運送業との関係

倉庫業と運送業は、物流を円滑に進めるために親密に連携しています。

運送業者が商品を生産地から倉庫へ運び、倉庫業者が一時的に保管を行った後、顧客の注文に応じて再び運送業者が商品を最終的な配送先へ届けます。

このように、倉庫業と運送業が協力することで、商品の移動が効率化され、コスト削減や迅速な配送が実現します。

また、運送業者が倉庫の機能を持ち、保管から配送まで一貫して行うケースも増えています。

倉庫業法とは

倉庫業法は、他人の物品を安全に保管し、適正に運営することを目的とした法律です。

物品の種類に応じて、倉庫の耐火性や温度・湿度管理、防火・防犯対策など厳しい基準が定められています。

また、倉庫ごとに倉庫管理主任者を選任し、管理体制を整えることが義務です。

2002年(平成14年)には、従来の許可制から登録制に変更され、倉庫業の運営がより柔軟になりました。

これにより、倉庫業者は一定の基準を満たした上で、登録を受けることが必要となっています。

参照元:倉庫業法・国土交通省(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/butsuryu05100.html)

営業倉庫の種類

▽スライドできます。

倉庫の種類 概要 保管できる物品例
1類倉庫 第1類~第6類物品を保管する倉庫。危険物を除き、特に保管物品に制限がない。 一般雑貨、米など
2類倉庫 第2類~第6類物品を保管。耐火性能を有さず、保管物品に制限がある。 麦、でん粉、飼料、野菜類、果実類など
3類倉庫 第3類~第5類物品を保管。防水、防湿、遮熱、耐火性能があるが、防鼠措置はなし。 陶磁器、ガラス器など
野積倉庫 野積み状態で保管し、周囲を塀や柵で防護。 鉱物、土石、原木、レンガ、かわらなど
貯蔵槽倉庫 サイロ・タンクなど、ばら状の貨物や液体を保管。 小麦粉、穀物など
危険品倉庫 第7類物品を保管する倉庫。 石油、化学薬品、ガソリン、灯油など
水面倉庫 原木を水面で保管する倉庫。 原木
冷蔵倉庫 第8類物品を保管。冷蔵・冷凍温度帯で食品を保管。 冷凍水産物、冷凍食品、食肉など
トランクルーム 個人の物品を保管するための倉庫。 事務文書、絵画など

参照元:営業倉庫の種類(https://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/content/000185679.pdf)

倉庫業のサービス

検品

検品とは、倉庫に入庫された物品が正しく届いているか、数量や品質に問題がないかを確認する作業です。

リストと照合し、破損や不良品がないかをチェックすることで、トラブルやクレームを未然に防ぎます。

入庫

入庫は、運送業者から運ばれてきた物品を倉庫に受け入れる作業です。

物品を指定された保管場所に正確に収納するため、在庫管理システムを使って品目や数量を登録します。

また、入庫時には商品を慎重に取り扱い、効率的に整理します。

保管

保管は預かった物品を適切な環境下で安全に管理する作業です。

物品の種類に応じて、温度や湿度の管理、防湿・防火対策が施されます。

保管中は在庫情報が正確に管理され、必要に応じて出荷やピッキングが行えるよう整備されています。

組立・梱包

組立・梱包は、出荷前に製品の組み立てや包装を行う作業です。

顧客の要望に応じて商品を組み立てたり、輸送中の破損を防ぐために梱包します。

ギフト包装やラベル貼り、部品の組立てなど、多様な作業が含まれます。

ピッキング

ピッキングとは、顧客の注文に基づいて倉庫内から必要な商品を選び出す作業です。

注文内容に従って商品を正確に取り出し、出荷準備を行います。

仕分け・荷揃え

仕分け・荷揃えは、ピッキングされた物品を配送先ごとに分類し、出荷の準備を整える作業です。

異なる顧客の商品が混在することを防ぎ、効率的な配送が可能になります。

正確な仕分けにより、配送ミスが防止され、物流のスムーズな運営が実現します。

出荷

出荷は、準備が整った商品を運送業者に引き渡し、顧客のもとへ送り出す作業です。

納品書や伝票を正しく添付し、配送先へ商品を送り出すことで、納期の遅延や誤配送を防ぎます。

正確な出荷は、顧客満足度の向上にもつながります。

倉庫業の市場動向、3PLで物流の最適化が進んでいる

3PLの流れ

近年、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)の普及により、倉庫業は物流の効率化が進んでいます。

3PLとは、企業が自社の物流業務を外部の専門業者に委託し、物流全体を管理・運営してもらう仕組みです。

企業は物流にかかるコストを抑えながら、業務の効率を大幅に向上させることができます。

倉庫業者は、物品の保管に加え、在庫管理、ピッキング(商品の取り出し)、梱包、配送手配など、幅広いサービスを提供しています。

そのため、3PLを導入することで、企業は自社の物流コストを削減し、商品が顧客に届くまでのスピードを向上させることが可能です。

また、3PLの導入は、複雑化する物流ニーズへの対応にも役立ちます。

IT技術を活用した高度な物流管理システムにより、より正確で効率的な在庫管理が可能になり、企業全体の物流管理がスムーズになります。

倉庫業・3PLの相談は中島運送まで

中島運送では、大阪を中心に、倉庫業や3PL(サードパーティーロジスティクス)を提供しています。

倉庫業や配送業をはじめとする物流全般のサービスを提供しており、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を活用して、お客様の物流ニーズに適したソリューションを提案しています。

商品の保管や在庫管理はもちろん、ピッキング・梱包・配送手配まで、物流業務を一括でお任せいただけます。コスト削減や業務効率化を目指す企業に、柔軟かつ効率的なサービスを提供し、貴社の競争力強化をサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。

まとめ

倉庫業は、単なる物品の保管だけでなく、物流全体の効率化に寄与する重要なサービスです。

企業が倉庫業を利用することで、以下のメリットが得られます。

  • 在庫保管: 温度管理や梱包などの対応を含む安全な環境での保管が可能。
  • 物流の効率化: 検品、入庫、保管、ピッキング、梱包、出荷といった物流業務を一括して依頼でき、効率的な運営が実現。
  • コスト削減: 3PLの活用により、物流業務全般を専門業者に委託することでコスト削減が可能。
  • 柔軟な対応: ECサービスの拡大やさまざまな物品の物流ニーズにも柔軟に対応できる。

倉庫業を通じて、企業は物流の効率化とコスト削減を実現し、競争力を強化することができます。

倉庫業や3PLの導入を検討している方は、ぜひ中島運送にご相談ください。