基礎知識

3PLと倉庫業の違いとは

3PLとは

3PLとは

3PLとは、サード・パーティー・ロジスティクスの略称で、物流業務を包括的に管理・運営する外部サービスのことです。

具体的には、商品の保管だけでなく、受注、在庫管理、配送計画、出荷業務までをワンストップでサポートします。

3PLを導入することで、企業は物流業務を外部に委託でき、自社のリソースをより一層コア業務に集中させることができます。

3PLの強みは、物流業務を効率化し、柔軟に対応できる点です。企業は、物流の知識や経験が豊富な3PL事業者に物流を任せることで、コスト削減だけでなく、業務のスピードアップや精度向上を図ることができます。

単なる運送業務の外注ではなく、物流戦略の設計や効率化のための提案、システム構築など物流サービス全般を対応します。

国土交通省も、物流業務の効率化と環境負荷低減の観点から3PLの普及を推進しており、近年その重要性が高まっています。

参照元:3PL事業の総合支援 | 国土交通省(https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/butsuryu03340.html)

倉庫業とは

倉庫業とは、倉庫業法によって「寄託を受けた物品の倉庫における保管を行う営業」と定義され、物品の安全な保管と管理が主な業務です。

預かった物品の品質を維持するために、温度管理や危険物の管理など、安全管理も行います。

倉庫業には、検品、入庫、保管、組立・梱包、ピッキング、仕分け・荷揃え、出荷といった様々なサービスが含まれています。

まず、検品ではお預かりした貨物の状態確認や個数確認を行い、入庫の際には貨物それぞれの特性に合わせて保管場所へ移動します。

その後、安全に保管・管理し、出荷が必要な際には貨物を組み立てて梱包を行います。また、出荷前にはピッキングを行い、出荷に伴う仕分けやトラック単位での荷揃えを実施します。

参照元:倉庫業法(https://laws.e-gov.go.jp/law/331AC0000000121)

物流での役割の違い

3PLと倉庫業の違いは、物流全体をカバーするか、それとも「保管」に特化しているかという点です。

3PLは、商品の入荷から出荷、配送に至るまで物流全体を管理します。一方で、倉庫業は主に商品の保管と管理を担い、物流の一部分のみを担う形になります。

以下の表で3PLと倉庫業の違いをご確認ください。

▽スライドできます。

項目 3PL 倉庫業
主な業務 物流全体の管理 倉庫での商品保管及び発送など
依頼する目的 物流業務の効率化
物流全体のコスト削減
商品の置き場の確保
倉庫管理のコスト削減
サービスの範囲 輸送、倉庫管理、配送など物流全般 倉庫管理に限定
責任範囲 サプライチェーン全体 倉庫内の在庫管理及び出荷まで
顧客への価値 コスト削減と効率向上 保管場所及び検品、出荷など

3PLサービスを利用するメリット

物流全体の効率化

3PLサービスを利用するメリットは、物流全体の効率化です。

物流業者の専門知識と経験を活用し、商品の受注から保管、配送に至るまでのプロセスを一貫して管理します。

その結果、物流業務のスピードアップが図られ、顧客の期待に応えることが可能となります。

物流業者のノウハウを活用できる

物流業者には、さまざまな業界の物流に関するノウハウが蓄積されています。

物流の最適化のための戦略的な提案を受けることができ、自社の物流の課題解決に役立ちます。

3PLを活用することで、物流業務のノウハウを得ることが可能です。

コア業務への集中

物流業務を専門業者に委託することで、企業は自社のコア業務に専念できるようになります。

例えば、製造業では製品の品質向上や新製品の開発により多くの時間とリソースを割けるようになります。

物流業務を外部に任せることで、人的リソースを効率的に活用し、企業の競争力を高めることが可能です。

倉庫業を利用するメリット

自社のリソースを確保できる

倉庫業を利用することで、自社で物流施設を持つ必要がなくなり、リソースを他の重要な業務に割り当てることができます。

特に小規模な企業にとって、物流施設を維持するためのコストや人材を削減できる点は大きなメリットです。

コスト削減

倉庫業を利用することで、保管にかかる固定コストを削減できます。

自社で保管施設を運営するには、大きな初期投資や維持費が必要となりますが、倉庫業者に委託することでこれらのコストを削減でき、資金を他の重要な部分に回すことができます。

繁忙期でも柔軟に対応できる

繁忙期や季節的な需要の変動に対しても、倉庫業者は柔軟に対応可能です。

必要に応じて追加の保管スペースを確保することができるため、急な在庫増加にも対応できます。柔軟性は、特に季節商品を扱う企業にとって重要なポイントです。

3PLと倉庫業どちらを選ぶべき?

導入前に考えるべきポイント

3PLと倉庫業を選ぶ際には、自社の物流課題を明確にすることが重要です。

例えば、物流全体の効率化を目指す場合や、複数の物流拠点を管理する必要がある場合には、3PLが適しています。一方、コストを抑えつつ保管業務を安定させたい場合は、倉庫業が適した選択肢です。

自社の物流課題に応じた選択肢

自社の物流課題に応じて選択肢を決めることがポイントです。

例えば、季節ごとに物流量が変動する場合や短期間での在庫管理が求められる場合は、柔軟な対応が可能な3PLが適しています。

一方で、長期保管や商品を一括で管理することが求められる場合には、信頼できる倉庫業者を利用する方が安心です。

3PL事業者と倉庫業者の選び方

3PL事業者と倉庫業者を選ぶ際には、それぞれの業者が提供するサービスの内容と実績を比較検討することが大切です。

特に物流の効率化や戦略的な改善を目的とする場合には、3PL事業者の実績と対応力を重視することがポイントです。

また、倉庫業者を選ぶ際には、保管能力やセキュリティ、立地条件をチェックすることが重要です。

物流に関する相談は中島運送まで

中島運送では3PLや倉庫業など物流に関するサービスを提供しています。

物流業務の改善や効率化について悩んでいる方は、中島運送にご相談ください。

私たちはお客様のニーズに合わせて、最適な物流ソリューションを提供しています。

物流全体をサポートする3PLサービスから、物品の安全な保管を行う倉庫業まで幅広く対応可能です。ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

3PLと倉庫業は、それぞれ異なる役割を持ち、企業のニーズに応じた使い分けが重要です。

物流全体の効率化やコスト削減を目指す場合には3PLが有効であり、安定した保管を重視する場合には倉庫業が適しています。

企業の物流課題に合わせて適切な選択をすることで、より効果的な物流戦略を実現することが可能です。物流に関するご相談は、ぜひ中島運送にお任せください。