
近年、EC市場の拡大や人手不足といった背景から、物流業務を外部に委託する「物流アウトソーシング」が注目されています。
しかし、初めて導入を検討する企業にとっては、「どこに委託すべきか?」「費用はどれくらいかかるのか?」といった悩みを抱えることも少なくありません。
本記事では、「物流アウトソーシングの選び方」をテーマに、委託先を選ぶ際に押さえておきたい4つのポイントをわかりやすく解説します。
自社に合ったパートナーを見つけるために役立つ判断基準を整理しながら、失敗しない選定方法を知っていただく内容となっています。
物流の効率化や業務負荷の軽減を目指す物流の担当者にとって、実用的なヒントが得られる内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
物流アウトソーシングは物流業務を外部業者に委託すること
物流アウトソーシングとは、商品の入出庫、在庫管理、梱包、発送など、企業の物流業務を外部の専門業者に委託することを指します。
近年では、EC市場の拡大や多様化する顧客ニーズに対応するため、物流の効率化が企業経営の大きな課題となっています。
その解決策として注目されているのが、この物流アウトソーシングです。
企業が自社で物流機能を持つ場合、設備や人員、ノウハウを揃えるためのコストや時間がかかります。
一方で、物流の専門業者に業務を任せることで、こうした負担を大幅に軽減でき、コア業務に集中することが可能になります。
特に、小規模なEC事業者や新規参入企業にとっては、初期投資を抑えつつ高品質な物流サービスを導入できる点で、大きなメリットがあると言えるでしょう。
また、物流業者は物流システムやノウハウを持っており、精度の高い在庫管理や発送対応が可能です。
その結果、顧客対応の質が向上し、満足度の高いサービス提供が実現しやすくなり、こうした積み重ねが、リピーターの獲得にもつながっていくのではないでしょうか。
物流の自社対応とアウトソーシング違い
企業が物流業務を行う方法には、大きく分けて「自社対応」と「アウトソーシング」の2つがあります。
それぞれにメリットとデメリットがあり、業種や規模、事業戦略に応じた選択が求められます。
物流の自社対応とは、倉庫の確保やスタッフの採用・教育、システムの導入など、物流に関わるすべての工程を自社内で担う方式です。
この方法では、自社独自のルールに沿った運用ができ、業務の柔軟性やカスタマイズ性が高い点が特徴です。一方で、設備投資や人件費といった固定費が大きく、業務負荷がかかるという側面もあります。
物流のアウトソーシングは、物流業者に業務を委託することで、運用負荷を軽減できる選択肢です。
特に、繁忙期や事業拡大時においては、柔軟かつ早い対応が可能です。また、コストの変動化により無駄な経費を抑えやすいのもメリットの一つです。
ただし、外部に業務を任せるため、情報共有や管理体制に注意が必要となります。
以下の表に、物流の自社対応とアウトソーシングの主な違いをまとめました。
項目 | 物流自社対応 | 物流アウトソーシング |
初期コスト | 高い(倉庫設備・システム・人材確保) | 低い(必要に応じた費用のみ) |
維持費・人件費 | 設備の維持費や人件費がかかる | 業務量に応じて変動しやすい |
カスタマイズ性 | 高い(自社ルールで柔軟に対応可能) | 委託範囲により制限される場合がある |
業務負荷 | 社内での対応が不可欠 | 軽減できる(コア業務に集中可能) |
リードタイム管理 | 柔軟に調整可能 | 委託先との連携次第 |
専門性 | 自社でノウハウを蓄積する必要がある | 専門知識を持つ業者が対応 |
物流アウトソーシングの委託先の選び方
物流アウトソーシングを成功させるためには、委託先となる企業の選定が重要です。
単に「安いから」「知名度があるから」といった理由だけで決めてしまうと、後々トラブルやコストの膨張につながる恐れがあります。
以下では、委託先を選ぶ際に確認すべき基本的なポイントを4つに分けてご紹介します。
自社の要望に応えてくれるか
物流アウトソーシングは、自社の課題や運用状況に合わせて委託内容をカスタマイズすることが理想です。
例えば、商品に合わせた個別包装の有無やギフト対応、短納期対応などの柔軟性が必要な場合、それに対応可能な業者かどうかを確認する必要があります。
また、自社の扱う商品ジャンルや販売チャネル(EC、実店舗、卸など)と親和性があるかどうかも、スムーズな連携のためには欠かせません。
ヒアリングの段階でこちらの要望に真摯に耳を傾け、運用面での課題に具体的な提案をしてくれるかどうかは、業者選びの大きな判断材料になります。
サポート体制を確認する
物流アウトソーシングでは、万が一のトラブル対応が品質を左右するため、サポート体制の確認が欠かせません。
配送遅延や誤出荷、在庫ズレなどに早急に対応できる業者かどうかを見極めましょう。
選定時には、以下の点をチェックするのがおすすめです。
・専任担当者の有無
・問い合わせへの返信の早さ
・休日や緊急時の対応可否
・定期的なレポート提出の有無
レポート提出があると、出荷件数や誤出荷率、在庫状況などを可視化でき、業務改善に役立ちます。
トラブルの傾向や繁忙期の傾向が数値で把握できるため、より戦略的な運用判断が可能になるでしょう。
費用が適切か確認する
物流アウトソーシングを導入する際には、料金体系の内訳が明確であるかどうかを必ず確認しましょう。一見すると安価に見えるプランでも、実際には細かい業務ごとに追加料金が発生し、想定以上のコストになることも少なくありません。
費用項目は業者によって異なりますが、以下のような項目が一般的です。
費用項目 | 内容の説明 |
初期導入費用 | システム設定、契約手数料、マニュアル整備など導入時に一度発生する費用 |
保管費 | 商品を倉庫に保管するための費用。面積(坪単位・パレット単位)や在庫量で変動 |
入庫作業費 | 商品の受け入れ時の検品・棚入れ作業の費用 |
出庫・ピッキング費 | 注文に応じて商品を取り出す作業の費用 |
梱包資材費 | ダンボール・緩衝材などの資材および梱包作業費 |
配送費 | 顧客への配送にかかる費用。エリア・サイズ・配送方法によって大きく異なる |
システム利用料 | WMS(倉庫管理システム)や受注連携システムの利用料金 |
返品対応費 | 商品の返品処理、再検品、再梱包などにかかる費用 |
繁忙期加算 | 年末商戦やセール時期など、通常より処理件数が多い期間にかかる追加料金 |
オプション対応費 | ラッピング、メッセージカード封入、特殊加工など、標準外作業にかかる費用 |
倉庫の立地
倉庫の所在地も、物流効率を大きく左右する重要なポイントです。
例えば、配送先が首都圏中心ならば、関東エリアに拠点を持つ物流業者の方がリードタイムや配送料の面で有利です。
また、空港・港・高速道路のICからのアクセスが良好であること、災害リスク(地震・浸水など)が低いエリアであること、近隣に十分な人材リソースがあることも加味すべきです。必要であれば実際に現地見学を行い、設備や作業環境を自分の目で確かめておくと、導入後のトラブルを防ぐことができます。
物流アウトソーシングは「中島運送」
物流アウトソーシングを検討するなら、柔軟な対応力と確かな実績を持つ「中島運送」にお任せください。長年にわたる輸配送の実績と多彩な物流ネットワークを活かし、企業ごとの課題に応じた物流ソリューションを提供しています。
中島運送の強みは、配送・保管・3PL(サードパーティーロジスティクス)まで、物流業務を一気通貫でサポートできる体制にあります。
大阪を拠点に自社便によるエリア配送を実施し、作業コストの削減と品質向上の両立を実現。さらに全国30社以上の路線会社・チャーター業者と連携し、小口貨物から中ロット、貸切便、鉄道コンテナ輸送まで対応可能です。
加えて、東大阪と八尾に構える物流センターでは、商品の検品・保管・ピッキング・組立・出荷といった多岐にわたる業務をカバー。WMS(倉庫管理システム)の導入により、業務の見える化や生産性の向上にも取り組んでいます。
3PL事業は、物流業務の一括請負にも対応。リードタイム短縮や多頻度納品、小ロット配送、365日対応といったニーズに応え、顧客サービスの質を保ちながらコスト最適化を進めます。
「物流をプロに任せて業務効率化を図りたい」「委託先に柔軟な対応をしてもらいたい」とお考えの方は、中島運送までご相談ください。
まとめ
物流アウトソーシングは、企業にとって業務効率化やコスト削減を実現するための有力な手段です。
しかし、委託先の選定を誤れば、期待する成果が得られないばかりか、トラブルの原因にもなりかねません。
委託先を選ぶ際は、自社の要望に柔軟に対応してくれるかどうか、サポート体制が整っているか、費用の内訳が明確で適正かどうか、そして倉庫の立地が事業エリアに合っているかなど、多角的に検討することが重要です。単に価格の安さで選ぶのではなく、総合的なコストパフォーマンスとサービス品質のバランスを見極めましょう。
本記事でご紹介した内容が、物流アウトソーシングの委託先を検討する際のヒントになれば幸いです。自社にとって無理のない形で、信頼できる物流業者と出会うことができれば、日々の業務負荷を軽減し、本来注力すべき事業に集中しやすくなるのではないでしょうか。
なお、「柔軟な対応力」や「実績あるサポート体制」を重視される方は、中島運送も選択肢のひとつとしてご検討いただければと思います。