基礎知識

運送業の許可は、事業を適正に運営し、輸送の安全を確保するために欠かせません。

本記事では、運送業の許可の種類や許可が必要なケース、そして許可を取得するための条件について、わかりやすく解説していきます。

これから運送業に携わる方はもちろん、既に事業を営んでいる方にとっても、知識の再確認に役立てください。

運送業の許可とは

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許可の種類 概要
一般貨物自動車運送業 不特定多数の荷主を対象とした運送事業
特定貨物自動車運送事業 特定の荷主のみを対象とした運送事業
貨物軽自動車運送事業 軽自動車や小型の自動車を使用した運送事業

運送業の許可は、どのような形で事業をするか、車種は何かで分けられます。

一般貨物自動車運送業は、いろんな人の荷物を運ぶ一番よくある形です。特定貨物自動車運送業は、決まった相手の荷物だけを運びます。

貨物軽自動車運送業は、小さな車で小回りを利かせて配達する事業です。これらの許可や申請は仕事を始める前に必ずもらっておく必要があります。

参照元:トラック事業を始めるには | 国土交通省(https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/benri/truck.html)

一般貨物自動車運送業

一般貨物自動車運送業は、不特定多数の顧客の貨物を輸送する事業です。

この事業を開始するには、下記の表に示す条件を満たし、国土交通省から事業許可を取得する必要があります。

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条件 要件
人員 運転手5名以上、運行管理者1名以上
車両 5台以上(軽自動車以外の貨物車)
設備 営業所、車庫、休憩所
駐車場 全車両を収容可能、営業所から10km以内
資金 人件費、車両費、燃料費などの確保

 

ステップ 内容 所要期間
1. 書類提出 必要書類を管轄運輸支局に提出 約1ヶ月
2. 審査 法令試験、書類審査 3〜5ヶ月
3. 連絡書取得 事業用自動車等連絡書の発行 許可と同時
4. ナンバー取得 緑ナンバーの交付、車両への取り付け 数日〜数週間

特定貨物自動車運送事業

特定貨物自動車運送事業の許可項目は、上記で解説した一般貨物自動車運送事業と同じです。

両者の違いは、不特定多数の顧客に貨物を運送するかと単一特定の荷主に貨物を運送する違いがあります。

  • 一般貨物自動車運送事業:不特定多数の顧客から集貨した貨物を運送する事業
  • 特定貨物自動車運送事業:単一特定の荷主の需要に応じ、有償で自動車を使用して貨物を運送する事業

ビジネスの成長を見据えているなら、初めから「一般貨物自動車運送事業」の許可を取得することをおすすめします。

なぜなら、「特定貨物自動車運送事業」で始めて後から新しい顧客を獲得すると、改めて「一般貨物自動車運送事業」の許可申請が必要になるためです。

両者の許可要件はほぼ同じのため、「一般貨物自動車運送事業」の許可を取得しておくことで、将来的に顧客が増えた際にも対応できます。

貨物軽自動車運送事業

貨物軽自動車運送事業は、軽トラックやバイク(125cc以上)を使って荷物を運ぶ仕事です。

一般貨物自動車運送事業と違い、許可ではなく届出制なので、比較的早く事業を始められます。

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条件 要件
人員 運転手1名以上(資格不要)
車両 1台以上(軽トラックまたは125cc以上のバイク)
設備 営業所(自宅可)、休憩施設
駐車場 営業所から2km以内
資金 車両費、燃料費、任意保険費用など

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ステップ 内容 所要期間
1. 書類準備 必要書類の収集と作成 数日〜数週間
2. 届出提出 国土交通省への届出 1日
3. ナンバー取得 黒ナンバーの取得、車両への取り付け 数日
4. 開業準備 保険加入、運行管理体制の整備 1週間程度

小規模で始めやすい反面、車両の大きさに制限があるため、取り扱える荷物の量や種類に限りがあります。

参照元:https://samurai-law.com/unso/k02/

運送業の許可が必要なケース

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ケース 説明
有償での貨物運送 料金を受け取って荷物を運ぶ場合
継続的な運送業務 定期的に運送サービスを提供する場合
大型車両の使用 2トン以上のトラックを使用する場合
複数の顧客対応 不特定多数の顧客から依頼を受ける場合

これらの業務を行う際には、運送業の許可が必要となるケースがほとんどです。

報酬を受けて荷物を運搬する場合や、定期的に運送業務を行う場合には、ほぼ確実に許可が求められます。

大型トラックを使用したり、複数のクライアントから業務を受注したりする場合も同様です。

無許可でこれらの活動を行うと、法的なリスクが生じる可能性があるため、注意が必要です。

運送業の許可が不要なケース

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ケース 説明
自家用運送 自社の商品を自社で運ぶ場合
無償の運送 無料でボランティアとして荷物を運ぶ場合
軽車両の使用 軽トラックやバイクのみを使用する場合
臨時的な運送 一時的または偶発的な運送の場合

これらのケースでは、通常、運送業の許可は不要です。

自社の商品を運搬する場合や無償で荷物を運ぶ際は、基本的に許可は求められません。

ただし、軽トラックやバイクを使用して業務として定期的に行う場合は、届出が必要になることがあります。

また、自社の物を運搬する場合であっても、それが主要な業務となる場合には、許可が必要となる可能性があります。

状況によって要件が異なるため、事前に確認しましょう。

運送業の許可で必要な書類

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書類の種類 内容
1. 会社関連書類
  • 登記簿謄本
  • 会社定款の写し
  • 決算書の写し
2. 財務関連書類
  • 残高証明書
3. 人員関連書類
  • 役員全員の履歴書
  • 運行管理者の履歴書と合格証の写し
  • 整備管理者の履歴書と資格者手帳の写し
  • 運転手の免許証の写し
4. 車両関連書類
  • 車検証の写し(または売買契約書、リース契約書)
5. 施設関連書類
  • 営業所・車庫の平面図および配置図
  • 土地建物の登記簿謄本または賃貸借契約書の写し
  • 車庫前面道路の幅員証明書
  • 営業所・休憩室・車庫の写真
6. その他
  • 貨物自動車利用運送の契約書(必要な場合)
  • 社会保険加入の証明書類

これらの書類は、運送業の許可申請に必要なものです。

会社の基本情報、財務状況、人員体制、車両や施設の詳細など、必要な書類を提出します。

書類によっては、許可直前でも準備可能なものもありますが、多くは事前に用意しておく必要があります。

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まとめ

本記事では、運送業の許可について詳しく解説しました。

運送業の許可は、事業の形態や使用する車両によって一般貨物自動車運送業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業の3種類に分かれます。

許可が必要なケースとしては、有償での貨物運送や継続的な運送業務などがあります。一方、自家用運送や無償の運送などは許可が不要です。

許可申請には多くの書類が必要で、会社関連書類から施設関連書類まで幅広い情報を提出する必要があります。

申請から許可取得までには数ヶ月かかることも多いため、計画的に準備を進めることが重要です。

運送業を始める際は、これらの情報を参考に、適切な許可を取得し、法令を遵守した事業運営を心がけましょう。