
物流コストの削減は、多くの企業にとって重要な課題です。
EC市場の拡大や人手不足が深刻化し、従来の物流体制では十分に対応できません。
その結果、効率が低下し、コストの増加につながります。
こうした課題を解決する手段として注目されているのが「3PL(サードパーティ・ロジスティクス)」です。
3PLは、物流業務を専門事業者に委託して、輸送や倉庫管理を効率化し、コスト削減につなげる仕組みです。
本記事では、3PL導入によるコスト削減のポイントやメリット、導入時の注意点について解説します。
3PLの定義と役割
3PL(サードパーティ・ロジスティクス)は、企業が自社で行っていた物流業務を、専門事業者に委託する仕組みです。
従来は、輸配送のみを外部に委託する「2PL」が一般的でしたが、3PLでは倉庫管理や在庫管理など物流全体を委託できます。
欧米では早くから普及し、日本でも1990年代後半から導入が進みました。
近年は、物流コストの増加や人手不足の影響で、関心がさらに高まっています。
特に、EC市場の拡大や製造業・卸売業の物流効率化のニーズが3PLの導入を加速させています。
3PLの活用により、受注データ処理や在庫の最適化、共同配送が効率的に行えるため、物流コストの削減や管理負担の軽減が期待できます。
また、2024年問題への対策としても、3PLの導入が有効です。
3PLと従来の物流業務の違い
従来の企業内物流では、自社で倉庫やトラックを運営し、人件費や設備費が固定費として発生していました。
一方、3PLを活用すると、物流業務を外部の専門事業者に委託し、変動費として管理できます。
これにより、繁忙期や閑散期に合わせた柔軟な物流運営が可能です。
また、3PL事業者は複数の企業の配送要件を統合して管理するため、共同配送によって輸送コストの低減が実現できます。
さらに、倉庫管理システム(WMS)や配送管理システム(TMS)を活用し、在庫可視化や配送ルートの最適化を進められます。
3PL導入によるメリット
3PL導入による業務効率化
3PLの導入により、物流企業は自社リソースを有効活用し、業務の最適化を進められます。
倉庫管理やピッキング作業、輸配送の手配といった日々のオペレーションに追われると、コスト管理や業務改善に時間を割く余裕がなくなりがちです。
3PLを活用すれば、物流業務の一部または全体を外部に委託でき、より戦略的な業務に集中できるでしょう。
コスト削減と柔軟な対応力
3PL事業者は複数の荷主の物流業務を統合管理しているため、共同配送や倉庫ネットワークの最適化を通じて、輸送コストや保管コストの削減が可能です。
また、繁忙期には、3PLの柔軟なオペレーションにより、人員配置や設備投資の負担を抑えられるのが強みです。
物流品質の向上とシステム活用
先進的な倉庫管理システム(WMS)や輸送管理システム(TMS)の導入により、在庫のリアルタイム可視化や配送ルートの最適化を進められます。
作業の標準化や誤出荷の防止にもつながり、物流品質の向上が期待できるでしょう。
3PLの継続的な改善提案
3PL事業者は物流データを分析し、業務の効率化とコスト削減を目指し、具体的な改善策を提案します。
例えば、倉庫のレイアウト見直しやピッキング工程の効率化、配送ルートの最適化など、継続的な業務改善を支援してくれるのがメリットです。
3PL導入時の注意点と課題
事業者ごとの特徴を押さえる
3PL事業者ごとに得意分野やシステムの仕様が異なるため、取り扱い商材や配送エリア、業務の規模に応じて適した事業者を選定する必要があります。
期待していたレベルのサービスが受けられないケースを防ぐためにも、契約内容を精査し、事前に業務範囲を明確にしておきましょう。
契約の際には、荷主の責任範囲を明確にし、品質基準の取り決めを慎重に行うことが重要です。
細部を詰めずに契約を進めると、運用開始後のトラブルにつながるリスクがあります。
自社にノウハウが蓄積されない
3PLの活用が進むと、自社内で物流ノウハウが蓄積されにくくなるリスクがあります。
将来的に物流の内製化を視野に入れる場合や自社で細かな物流課題を分析・改善したい企業は、どの業務を外部委託し、どこを自社で管理するのかを慎重に判断することが重要です。
このリスクを軽減するために、3PL事業者との契約時に、業務フローや運用データの共有ルールを明確にし、必要な情報を自社でも管理できる仕組みを整えておきましょう。
定期的な業務報告会を実施して、3PL事業者の知見を社内の担当者と共有することで、実務レベルでのノウハウの蓄積が進みます。
導入後のコストや運用負担に備える
3PLの導入後、すぐにコスト削減効果が出るとは限りません。
初期導入費用やシステム連携の手間、業務フローの刷新に伴う調整コストを考慮し、長期的な視点で計画を立てることが重要です。
導入前に、発生するコストの内訳を試算し、削減可能な費用を明確にしておくことで、実際の削減効果とのギャップを抑えられます。
また、運用負担を軽減するため、事前に3PL事業者との役割分担を整理し、管理体制を整えておきましょう。
さらに、導入後の負担を抑えるには、業務フローを円滑に調整する準備も欠かせません。
例えば、契約時に運用ルールを明確にし、業務調整の手順を定めておくことで、無駄な調整コストやトラブルを回避できるでしょう。
こうした準備を整えることで、3PLのメリットを最大限に活かし、スムーズな運用が可能になります。
3PLでコストを削減する具体策
在庫の可視化と適正化
WMSやクラウドシステムを活用すると、リアルタイムで在庫状況や入出荷データを確認できます。
企業間の在庫情報の共有が円滑になり、調達や生産計画の精度が向上するでしょう。
そこで3PLを活用すると、これらのシステムを自社で導入・運用する負担を軽減できるだけでなく、より効率的な在庫管理が可能です。
また、3PLのネットワークや倉庫拠点を活用することで、過剰在庫や欠品を防ぎながら、適正な在庫水準を維持できるでしょう。
これにより、倉庫コストや機会損失を抑え、物流全体のコスト削減につながります。
複数拠点の統合・共同配送
3PL事業者は、複数の企業からの貨物を統合し、共同配送を行うことで、サプライチェーン全体の効率化を支援します。
小口配送をまとめることでトラックの積載率が向上し、輸送効率が上がるため、B2B取引における物流コストの削減につながります。
また、輸送回数の削減によりCO₂排出量の低減も期待でき、ESG対応を進める企業にとっての付加価値にもなるでしょう。
倉庫立地と輸送ルートの最適化
B2B取引では、取引先の所在地や納品リードタイムを考慮した倉庫配置が重要です。
3PL事業者を活用すると、複数の倉庫を適切に配置できます。
在庫の分散管理を行うことで、輸送コストを抑え、納品スピードの向上も期待できるでしょう。
例えば、主要都市にハブ倉庫を設け、周辺エリアに小規模拠点を配置するハブ&スポーク方式を採用すれば、急な発注にも柔軟に対応できます。
また、取引先の発注パターンに応じて定期便とスポット配送を組み合わせることで、輸送の無駄を削減し、安定した供給を維持できるでしょう。
これらの施策により、ジャストインタイム配送や緊急対応の精度が高まり、物流コストの削減と顧客満足度の向上につながります。
3PL活用のトレンドと今後の展望
技術革新による変化(AI・IoT)
AIやIoTの導入が進み、3PLの現場では倉庫管理や輸配送の効率化が進んでいます。
倉庫では、センサーやカメラを活用したリアルタイムの在庫管理が普及し、適正在庫を維持しながら無駄な保管スペースや過剰在庫を削減。
これにより、倉庫の維持コストが抑えられます。
輸配送では、交通情報や天候、荷物の位置情報を統合し、AIが最適な配送ルートを算出する技術を活用。
走行距離の短縮や待機時間の削減につながり、燃料費や人件費が軽減されます。
EC市場の拡大により、多品種少量出荷への対応が求められるなか、こうした技術の活用は業務の効率を高め、コスト削減につながるでしょう。
環境要因による変化(カーボンニュートラル)
脱炭素社会の実現に向けた取り組みが世界的に加速するなか、物流業界全体でカーボンニュートラルへの対応が求められています。
3PL事業者も例外ではなく、輸送時のCO₂排出量削減に向けたさまざまな施策を導入しています。
例えば、EVやハイブリッド車の導入、モーダルシフトによる鉄道や海上輸送の活用、共同配送や拠点の集約化によるトラックの積載率向上などです。
これらの施策により、長期的に燃料費の削減が可能となり、輸送コストの抑制につながります。
また、倉庫においては太陽光発電システムの導入や空調の効率化が図られています。
エネルギーコストの削減により、固定費の最適化も進んでいます。
社会的要因(労働環境の変化)
2024年問題により、トラックドライバーの年間時間外労働が960時間に制限され、輸送力の低下やドライバー不足が深刻化。
労働時間の短縮により一人当たりの稼働時間が減少し、長距離輸送の維持が難しくなっています。
その結果、運送コストの上昇や納期の遅延といった影響が顕在化しています。
こうした課題に対し、3PL事業者は広範なネットワークと配車管理システムを活用し、輸送ルートの最適化や中継拠点の活用を進めています。
これにより、無駄な回送を減らし、運行コストの最小化が可能です。
また、デジタル技術を活用した効率的な配車や倉庫管理の導入により、人的コストを削減しながら、安定した物流を維持できます。
今後、持続可能な物流体制を確立するためにも、3PLの役割はさらに重要となるでしょう。
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また、3PL(サードパーティ・ロジスティクス)事業にも注力し、物流業務全般を包括的にサポート。
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まとめ
3PLの導入は、物流業務を効率化し、コスト削減につながる手段です。
物流の専門事業者に委託すると、共同配送や倉庫管理の最適化が進み、固定費の削減や柔軟な対応が可能です。
また、倉庫管理システム(WMS)や輸送管理システム(TMS)を活用すると、物流の可視化やルート最適化が進み、業務品質の向上も期待できます。
一方で、3PLを導入する際には、事業者の選定や契約範囲の明確化、システムの連携など、慎重な計画が必要です。
AIやIoTの活用、環境対応の強化が進むなか、3PLの役割は今後さらに重要になります。
持続可能な物流体制を構築するために、3PLの活用を検討しましょう。